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怪獣亭非日常

怪獣亭非日常

小学館BOOK

テレビマガジン、テレビランド創刊前、まだ冒険王が漫画中心だった70年代初期の児童を対象としたテレビ雑誌といえば「小学館BOOK」だろう。
「小学館BOOK」という雑誌は小学館の学年誌が講談社からウルトラシリーズの掲載独占権を引き継ぐ流れのなかで第二期怪獣ブーム初期の中心的な雑誌になる。
先日の「パチモンサミット」でも円谷プロ公認の新怪獣を掲載した雑誌として話題になっていた(これらの公認新怪獣は「帰ってきたウルトラマン」製作決定の中、怪獣史の闇に葬られてしまう・・ )

雑誌の内容は当時のライバル誌と同じくTV漫画コミカライズと特撮情報。
手元にあるの72年11月号と73年3月を参照すると漫画の分量が多い。
128ページ中の約半分が漫画もしくは絵物語。残り半分が情報ページかというとさにあらず15ページの学習図鑑と保護者のためのページ8ページ、あとはお面とかの綴じ込み付録が16ページある。
キカイダーのダークロボットとウルトラの父をトピックとした特集内容は71年11月に創刊された後発の「テレビマガジン」がTVの先取り情報を中心に今みてもマニアックな誌面展開をしているのと比べると大人しい印象を与える。

この号の連載漫画をあげておくと
キカイダー(時里信一)
バージェスの動物ものがたり(ズイオープロ)
ウルトラマンA(林ひさお)
アイアンキング(かたおか徹治)
バレエ星(谷ゆきこ)
サンダーマスク(池原成利)
樫の木モック(タツノコプロ)
ライオン丸(馬場秀夫)
ミラーマン(蛭田充)
おばけのQ太郎(吉田忠)
ケーキ屋ケンちゃん(竹中きよし)
ガッチャマン(タツノコ・プロ)
実に12本。見開きしかない漫画もあるが今の「てれびくん」の掲載漫画が4本なのを考えると圧巻である。
「動物物語」は放送を数ヵ月後に控えた山ねずみロッキーチャックである。
怪獣モノ中心の内容でありながらバレエ漫画が載っているところに女児も対象にしようという小学館らしい拘りが感じられる。
小学館には未就学児童向け雑誌として「よいこ」と「幼稚園」があったのだけれど「小学館BOOK」は小学校低学年までを対象とし学習的内容は少なめになってたと思われる。

最後にこの号の「ウルトラマンA」のコミカライズ。作者は林ひさお、あの三億年超獣の回の漫画を描いていた方です。

夕子との別れ、ダンとの出会いを描いた漫画なのだけれど別れがまた淡白な展開。

「夕子いったい何の用だい」
「わたし地球人じゃないの」
「えっ」
「私月星人なの 月にかえあらなくちゃいけないのあの光は私をよんでいるの」(危ない人みたいだぞ夕子)

「ぼく一人でAに変身できるかな」(切り替え早っ)
「あなたなら大丈夫。さあ左手をだして。」
「さようなら星司さん」
「さようなら夕子」(月へとんでいく夕子)
これが冒頭の見開き2ページ。もう夕子はでてきません。
当然ルナチクスは出てこずギタギタンガが出たりしてます。
まあ内山まもる版でも夕子は唐突にいなくなっていたような気がすることだし・・。
うーん。でもこれはこれで味のある漫画だなあ。

次回は「ウルトラマンA」の最終回を中心にもう少し話をつづけてみたい・・、というわけで・・つづく。


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